総合型選抜(旧AO入試)は、近年ますます注目を集めています。一般入試とは異なり、学力試験だけでなく、志望理由書や面接、小論文、プレゼンテーションなど多角的に評価される入試制度です。その中でも特に大きな比重を占めるのが「志望理由書」です。しかし、各大学の採点基準は非公開であるため、受験生や保護者の方にとって「何が評価されるのか」は非常に気になるポイントでしょう。
私はこれまで毎年、多くの受験生を指導してきました。その経験から見えてきたのは、合格する生徒とそうでない生徒の違いは、志望理由書に「大学での研究テーマ」がしっかり書かれているかどうかにある、ということです。本記事では、その理由と具体的な対策方法について詳しく解説します。
01:なぜ志望理由書に研究テーマが必要なのか
総合型選抜は「その大学で何を学び、将来どう社会に貢献していくのか」を評価する入試制度です。単なる「大学に入りたい理由」や「その学部を選んだ動機」を書くだけでは弱く、大学で取り組みたい具体的な研究テーマを提示することが、説得力のある志望理由書につながります。
研究テーマを明確にすることで、
- 学問への関心の深さ
- 論理的な思考力
- 自分の経験と学びたい内容の接続
これらをアピールできます。つまり、研究テーマを持っているか否かが、合否を左右する大きな分かれ目になるのです。
02:研究テーマは高校生活から導き出す
では、研究テーマはどのように決めればよいのでしょうか。ポイントは、高校生活で取り組んできたことと結びつけることです。部活動、課題研究、ボランティア、趣味の活動、アルバイトなど、どんな経験からでも研究テーマを導き出すことが可能です。
「自分は特に頑張ったことがない」と感じる生徒でも大丈夫です。私の講座では、対話を通じてその人ならではの関心や問いを掘り起こし、必ず研究テーマを見つけ出します。研究テーマとは、突き詰めれば「自分は何に疑問を持ち、何を解明したいのか」という問いのことなのです。
03:研究テーマは「1行」で表現する
志望理由書に書く研究テーマは、シンプルに「1行」で表すのが理想です。たとえば、
- 「地域動物園の役割と地域創生への貢献」
- 「玩具デザインが子どもの発達心理に与える影響」
- 「ラグビー文化と青少年のメンタルヘルス」
といった具合です。1行で明確に表現することで、大学の先生方に「この生徒は何を研究したいのか」が即座に伝わります。
04:研究テーマを支える「先行研究」
テーマを設定したら、必ず「先行研究」する必要があります。これは高校生にとっては少しハードルが高いかもしれませんが、避けて通れないステップです。
先行研究することで、
- そのテーマが学問的にどのように扱われてきたか
- 既にどのような研究成果があるのか
- まだ研究されていない視点はどこか
を理解できます。これらを踏まえた上で「私はここに着目したい」と述べれば、大学の先生から見ても非常に説得力のある志望理由書になります。
05:先行研究の調べ方
先行研究は、ネットで公開されている論文や、志望大学の教授陣の専門分野から探すのが基本です。たとえばCiNii(国立情報学研究所の論文検索サービス)や各大学の研究者ページは、高校生でも利用しやすい情報源です。
06:卒業論文と志望理由書は似ている
私は大学生の卒業論文指導もしていますが、実は卒業論文と志望理由書の構造はとても似ています。卒業論文はテーマを決めることが仕事の8割です。テーマさえ決まれば、あとは構成を立てて書き進めるだけで、ほぼ機械的な作業になります。
07:合格する志望理由書の具体的な流れ
- 高校生活の経験を整理する
- そこから「問い」を見つける
- 研究テーマを1行で表現する
- 先行研究を調べる
- 志望大学の教授の専門領域と結びつける
- 「だからこの大学で学びたい」と結論づける
この流れで志望理由書を作成すれば、合格の可能性は大きく高まります。
08:講座での指導について
現在、人見読解塾を中心に、多くの受験生を指導しています。おかげさまでほぼ満席の状態ですが、単発受講であればスポット枠に空きがある場合もあります。
「研究テーマが見つからない」
「先行研究の調べ方が分からない」
「志望理由書がまとまらない」
といった悩みを抱えている方は、ぜひ一度お問い合わせください。一緒に研究テーマを発見し、合格に近づく志望理由書を仕上げていきましょう。
09:まとめ:研究テーマこそ合格の鍵
総合型選抜において、志望理由書は単なる自己PRではなく、「大学で何を研究したいのか」を伝える場です。合否を分ける最大のポイントは、研究テーマの有無だと言っても過言ではありません。
総合型選抜での合格を目指すなら、ぜひ「研究テーマ探し」から始めてください。そしてそのサポートを必要とするなら、私の講座がお役に立てるはずです。